「うちの鳥の老いじたく」

2017年12月17日(日)

ピッコリアニマーリさん主催、細川博昭先生お話会「うちの鳥の老いじたく」に参加して。

長い距離を飛ぶことが出来なくなった。

高い場所に行けなくなった。

目が見えづらくなった。

これまで当たり前だったことが段々と難しくなる。

それを「老い」と呼ぶのだと思います。

人はその変化について、悲観的になってしまいますが、

鳥は動物の本能をもって「今できること」をするのみです。

外界の鳥に「老鳥」はいないといいます。

しかし室内で暮らす鳥は、人の知恵や道具を借りて長く生きることができます。

それはとても幸せなことでありますが、同時に私達にとってはこの「老い」について

最期の瞬間まで考えなくてはいけないことを意味します。

私の愛鳥たちは、2歳と1歳ですのでまだ「老い」について考えるには早いかもしれません。

当然、生涯を共に生きていく覚悟は、迎え入れるときにできています。

それでも、いざ愛鳥に変化が起きれば、うろたえてしまうと思います。

日々、私達にできることはなにか。

それは、よく観察し、想像してみることだと思うのです。

KiriToriSen が製作販売している「ホヨヨボール」は、幼鳥期に脚弱だった愛鳥「こむぎ」 のために

観察し、想像し、作ったものです。

鳥にはそれぞれ個性があり、その子にとって何が良いかは試してみなければわかりません。

うちの子達には良くても、噛み癖のある子には引っ張り出した糸が危ないかもしれませんし

(こまめに切り取って下さいね)、卵を産めないように幅を短くしましたが、それでも発情して

しまう子には良くないかもしれません。

試みることには失敗がつきものです。

でも試行錯誤していくうちに、その子にあった対策をきっと見つけることができると思います。

細川先生のお話会の中で「飛べなくなった鳥のリハビリ」についての体験談をお聞きしました。

飛べなくなってしまった鳥を手に乗せ、上下させることで、自然に鳥を羽ばたかせるというものです。

起きてしまった事象に対し改善させる的確な処置について現在は手探りかもしれませんが、未来の鳥たちに希望を与えられるのは今の私達の体験や知恵かもしれません。

私達はその知恵や知識を共有するツールを持っています。

今回のお話会に参加して強く思ったのは、専門家の知識と、愛鳥と暮らす人達の体験と知恵を共有する場が必要だということです。

是非いろんなお話を共有して下さい。

KiriToriSenも、そういった共有の場を作っていく一助としてありたいと思いました。

細川先生のお話の中で印象に残ったのは、「鳥は人間が思っているより、人間を観察して行動している」という言葉です。

私も、ふとした瞬間に視線を感じることがあります。

現在、鳥の「老い」と向き合い、悩まれている方々の愛鳥さんもその様子をしっかり見つめ、幸せに感じていると思います。

なるべく明るく、できないことを気にするのではなく、今できることを一緒に探していく。

「寄り添う」というのは、そういうものなのかなと思いました。

「うちの鳥の老いじたく」は是非、鳥と暮らす皆様に読んでいただきたい本です。

小鳥をお迎えされた際に、飼育本とセットで読まれるのもいいかもしれません。

今後もピッコリアニマーリさん主催で勉強会を続けられるとのことでしたので、興味のある方は是非ご参加下さい。